Google ColabでQwen3.6-27Bを動かす|T4 16GB・GGUF・MTP比較手順

公開日
2026-07-15
更新日
2026-07-15
情報確認日
2026-07-15
編集・運営
Local AI Compass

Colab無料枠でGPUが割り当てられた場合、Qwen3.6-27BのGGUFを試せる可能性があります。T4 16GBではQ3系・context短めから始め、MTPはbaselineと同じ条件で比較してください。無料GPU、速度、Q4の全GPU搭載、データのローカル性は保証されません。

導入前に確認すること

  • Windowsのバージョン、メモリ容量、GPU/VRAM、空き容量を確認する
  • 最初は軽量モデル、短い質問、少ない同時作業から始める
  • 公式サイトの対応OS、利用規約、モデルのライセンスを確認する

30秒で分かる結論

GPU 割り当て時だけ試す

無料ColabでGPUが毎回得られるとは限りません。最初にnvidia-smiを実行します。

T4 16GB Q3系・context短めから

Q4を全部GPUへ安全に載せる前提にせず、空きVRAMとログを見ます。

MTP baselineと比較

draft-mtpの効果は受理率、quant、context、実装で変わるため同じ条件で比較します。

この記事で扱うのは、ColabのGPU VMでQwen3.6-27BのGGUFをllama.cppから試し、MTP off/onを同じ条件で比較する手順です。実際の速度やOOMの有無は読者のruntimeへ依存します。

Colabはローカルではなくクラウド実験環境

Google Colabのコードはアカウントごとの仮想マシンで実行されます。Colab公式FAQは、VMがアイドル後に削除され、最大寿命があること、無料枠ではGPU種類や利用上限が変動し保証されないことを説明しています。

そのため、ここでGGUFを動かしても、手元のWindows PCで推論しているわけではありません。モデルやpromptをクラウドへ置くこと、notebookを共有すること、runtime resetでファイルが失われることを別々に考えてください。

  • 無料GPUの割り当てを前提にしない
  • 無料枠の利用時間を毎日何時間と断定しない
  • 機密文書、個人情報、業務データをアップロードしない
  • 公開トンネルや常設serverを作らない
  • 実行ログとnotebookの保存先・共有範囲を確認する

Qwen3.6-27Bの公式仕様を先に確認する

Qwen公式モデルカードでは、Qwen3.6-27Bは27B parametersのCausal Language Model with Vision Encoderとして説明され、MTPはmulti-stepsで訓練されています。native contextは262,144 tokensで、これはT4で確保できる実用contextを意味しません。

この記事ではQwen3.6-27Bを別のQwen3.6-35B-A3Bなどのモデルと混同せず、27BのGGUFを対象にします。27Bの公式ベンチマークや、Qwen3.5 9B・Gemmaなど別モデルの速度をColab T4へ転用しません。

T4 16GBで何が難しいのか

NVIDIA公式のT4仕様は16GB GDDR6です。ただし、16GBすべてをmodel weightsだけに使えるわけではありません。CUDA/runtime buffer、KV cache、context、batch、MTP関連の余白が必要です。

T4の16GB VRAMをmodel weights、runtime buffer、KV cache、MTP余白に分けて考える概念図
VRAMの内訳を分けて考える概念図。実測値や安全な搭載量を示すものではありません。
T4 16GBで何が難しいのかの表
配布ページ上の参考量子化参考ファイルサイズT4での開始判断
Q3_K_S12.2 GB最初の候補。context 4096程度から実測
Q3_K_M12.6 GB動作確認後の比較候補。余白を確認
UD-Q3_K_XL14.8 GBファイルサイズ以外の余白が厳しくなりやすい
IQ4_XS15.7 GB16GBとの差が小さく、安全とは言えない
Q4_K_M17.5 GBT4 16GBへ全部GPUの前提にしない

この表は2026-07-15に配布ページで確認した参考サイズです。ファイルサイズと実際のVRAM使用量は同じではなく、更新やruntimeの差で変わるため、最終判断はnvidia-smiと起動ログで行います。

必要なものと実行前の確認

必要なのは、Googleアカウント、Colab notebook、GPU runtimeを試せる状態、モデルを置く空きdisk、同じ条件を記録するメモです。GPU割り当てがない場合は、後続セルを盲目的に実行しません。

  1. Runtime > Change runtime typeでGPUを選ぶ。ただしGPUの種類や割り当ては保証されない。
  2. preflightを実行し、GPU名、VRAM、RAM、disk、Python versionを記録する。
  3. GPUがなければ停止し、別の時間や有料/専用GPUを検討する。
  4. T4ならQ3_K_S・context 4096・MTP offから始める。
nvidia-smi || true
free -h
df -h
python --version

llama.cppをCUDA対応でビルドする

Unslothの配布ページは、llama.cppをcloneし、GGML_CUDA=ONでビルドし、draft-mtpを指定する例を示しています。ここではRAMを使い切らないように並列数を2へ抑え、ビルド終了後にcommitとversionを保存します。

if [ ! -d llama.cpp ]; then git clone https://github.com/ggml-org/llama.cpp; fi
cmake llama.cpp -B llama.cpp/build -DBUILD_SHARED_LIBS=OFF -DGGML_CUDA=ON
cmake --build llama.cpp/build --config Release -j 2 --target llama-cli
git -C llama.cpp rev-parse HEAD
llama.cpp/build/bin/llama-cli --version

このセルはllama.cppのmasterを取得するため、実行時のcommitは固定ではありません。記事や共有ログへ結果を書く場合は、出力されたcommit、llama-cli --version、GPU名を必ず残してください。

GGUFを取得する量子化を選ぶ

llama-cliの--hf-repo user/model:quantは、Hugging FaceのGGUF repoと量子化名を指定する方法です。ノートブックの初期値はQ3_K_Sにし、Q3_K_Mや別候補へ変える場合は、ファイルサイズ、空きdisk、空きVRAMを確認します。

この手順はQwen3.6-27B-MTP-GGUFの配布者ページを使います。Qwen公式のTransformersモデルと、Unslothが変換・量子化したGGUFの配布元は同じものとして扱いません。license、revision、Files欄、モデルカードを確認してください。

MODEL_REF="unsloth/Qwen3.6-27B-MTP-GGUF:Q3_K_S"
# Q3_K_Mなどへ変更する場合は、同じprompt・contextで別の測定行にする
echo "$MODEL_REF"

baseline:まずMTPなしで動かす

baselineではMTPを使わず、同じ量子化・context・GPU layers・sampling・prompt・出力上限を固定します。まずロードできること、短い応答が返ること、ログにCUDA backendとgenerationの情報が出ることを確認します。

MODEL_REF="unsloth/Qwen3.6-27B-MTP-GGUF:Q3_K_S"; PROMPT="次の文章を、条件を落とさず日本語で3点に要約してください。無料のGoogle Colab GPUは割り当てや利用時間が保証されず、実行結果はGPU・量子化・context・ビルドに依存します。"; llama.cpp/build/bin/llama-cli --hf-repo "$MODEL_REF" --no-mmproj --ngl 99 --ctx-size 4096 --n-predict 128 --batch-size 256 --ubatch-size 128 --flash-attn on --seed 42 --temp 0.7 --top-p 0.8 --top-k 20 --min-p 0.0 --spec-type none --single-turn --prompt "$PROMPT" --log-file /content/qwen-baseline.log

一度の結果だけで「T4なら何tokens/s」と一般化しません。prompt processing、TTFT、generation tokens/s、peak VRAM、終了コードを別々に記録し、GPU実測ができなかった場合は未実測と書きます。

MTP:同じ条件でdraft-mtpを追加する

MTPはbaselineのコマンドへspec-type draft-mtpとspec-draft-n-max 2を追加するだけに留め、他の条件を変えません。Unslothの現行例でも、MTP用にdraft-mtpとspec-draft-n-max 2を示しています。

通常生成とMTPのdraft・target検証・accepted・rejectedの流れを示す概念図
MTP/speculative decodingの流れ。速度向上はaccepted tokenと実装条件に依存します。
MODEL_REF="unsloth/Qwen3.6-27B-MTP-GGUF:Q3_K_S"; PROMPT="次の文章を、条件を落とさず日本語で3点に要約してください。無料のGoogle Colab GPUは割り当てや利用時間が保証されず、実行結果はGPU・量子化・context・ビルドに依存します。"; llama.cpp/build/bin/llama-cli --hf-repo "$MODEL_REF" --no-mmproj --ngl 99 --ctx-size 4096 --n-predict 128 --batch-size 256 --ubatch-size 128 --flash-attn on --seed 42 --temp 0.7 --top-p 0.8 --top-k 20 --min-p 0.0 --spec-type draft-mtp --spec-draft-n-max 2 --single-turn --prompt "$PROMPT" --log-file /content/qwen-mtp.log

MTPは必ず速くなる機能ではありません。draft tokenがtargetに受理される割合、draftとverificationのコスト、sampling、VRAM余白が結果を左右します。-np > 1や--mmprojは配布者ページでMTP未対応と記載されているため、この実践では使いません。

baselineとMTPの比較条件を固定する

baselineとMTPの比較条件を固定するの表
固定項目記録する値変えた場合の扱い
モデルrepo、revision、quant、ファイルサイズ別の測定として分ける
GPUGPU名、VRAM、利用可能VRAMT4以外は別環境として記録
生成prompt、output上限、seed、temperature、top-p/top-k/min-p速度比較と品質比較を分ける
ランタイムllama.cpp commit、version、CUDA backendcommitが違う結果は同列にしない
メモリcontext、batch、ubatch、GPU layers、Flash AttentionOOM/速度へ影響するため明記
MTPoff/on、spec type、n-max、accepted draft tokens未取得は未確認と記録

最低でもbaseline、MTP n-max=1、MTP n-max=2を別行にし、同じpromptで比較します。可能なら3回以上の中央値と、cold/warm、失敗条件を残してください。

結果を記録するテンプレート

結果を記録するテンプレートの表
項目baselineMTP
MTPoffdraft-mtp
GPU / 利用VRAM記録記録
quant / contextQ3_K_S / 4096同じ値
prompt processing / TTFT記録記録
generation tokens/s記録記録
peak VRAM記録記録
accepted draft tokens / acceptance該当なしログで確認
終了コード / エラー記録記録
  • Colab runtimeのGPU名と空きVRAMを記録する
  • 実行時のmodel revisionとllama.cpp commitを記録する
  • 実測値がない欄は推測で埋めず未確認とする
  • SNSのQwen3.5 9BやGemmaの数値をQwen3.6-27Bへ転用しない

OOMになったときの順番

推論時のCUDA OOM、llama.cppのbuild中にRAMが尽きる、GGUFのdownload中にdiskが尽きる、GPUが割り当てられない、は別の症状です。最初に段階を特定します。

Colab T4でGGUFがOOMになった時にGPU、quant、context、MTP、offload、RAM、diskを確認する分岐図
OOM時の確認順を示す概念図。症状とログを確認してから一つずつ設定を変えます。
  1. nvidia-smiでGPU名と空きVRAMを確認する。
  2. MTPをoffにしてbaselineを起動し、MTP固有の余白不足か分ける。
  3. contextを4096から下げる、batch/ubatchを下げる。
  4. Q3_K_Sなど軽いquantへ下げ、model weightsの負荷を減らす。
  5. GPU layersを調整し、一部CPU offloadならRAMと速度を別に記録する。
  6. free -hとdf -hでRAM/diskを確認し、必要ならruntimeを再起動する。

セッション切断・再開・データの扱い

ColabのVMは永続的なローカルPCではありません。モデル、build artifact、ログをVM内だけに置くと、runtimeの切断・削除で消える可能性があります。notebook自体はGoogle Driveまたは手元へ保存し、実測ログは個人情報や機密promptを含めない形で保存します。

Google Driveへmountする場合も、共有範囲、容量、組織ルールを確認します。最初からDriveへ巨大GGUFを置く前提にせず、/contentへ取得して必要な結果だけ保存するほうが切り分けしやすい場合があります。

手元PC・Colab・有料GPUの使い分け

手元PC・Colab・有料GPUの使い分けの表
環境向いていること注意点
手元PC機密データを外へ出さず継続利用しやすいGPU/VRAM、電力、冷却、保存容量を自分で用意する
無料ColabGPUを買う前の短い実験、設定と量子化の比較GPU・時間・VM寿命が保証されず、クラウドへデータを置く
有料Colab / 専用GPU長めの実測、再実行、VRAMの余裕を買う料金、停止条件、データ管理、環境再現を確認する

無料で大規模モデルを無制限に動かす場所ではなく、条件を記録した短い実験環境としてColabを使うと、速度と再現性の話を混同しにくくなります。

この手順で確認できること・できないこと

このリポジトリではColab GPUを確保できないため、2026-07-15時点では手順とnotebookの静的検証までを行い、GPU実測値は掲載していません。読者が実行した結果を記録して初めて、そのruntimeの観測になります。

FAQと次の一手

まずnotebookを保存し、GPU確認、llama.cpp build、Q3_K_S baseline、MTP n-max=2の順に実行します。OOMなら設定を一つずつ戻し、速度を比較する前に同じ条件が保たれているか確認してください。

よくある質問

Google Colab無料枠でT4は必ず使えますか?

必ずではありません。Colab公式FAQでは、GPUの種類、利用上限、idle timeout、VMの最大寿命などが変動し、無料枠のリソースは保証されないと説明されています。まずnvidia-smiで割り当てられたGPUを確認してください。

Qwen3.6-27BのQ4はT4 16GBに収まりますか?

安全に収まるとは言えません。配布ページ上でQ4_K_Mは17.5GBの参考サイズで、T4の16GBを超えます。Q4_K_Sなどでもmodel weights以外のbuffer、KV cache、context、MTPの余白が必要なので、Q3系から実測するのが安全です。

Q3_K_SやQ3_K_Mでも品質は十分ですか?

十分かどうかは用途、prompt、量子化、実行環境で変わります。Q3はT4での動作確認を優先する開始候補であり、品質を保証する評価ではありません。同じpromptでQ4などと比較してください。

MTPを有効にすると必ず2倍になりますか?

なりません。MTPはdraft tokenの受理率、draft長、target計算、sampling、量子化、VRAM余白などで結果が変わります。baselineとMTPを同じ条件で測り、未測定の速度を記事やSNSの数値で埋めないでください。

MTPで回答内容は変わりますか?

同じ結果になると無条件に保証しないでください。seed、sampling、llama.cppのcommit、chat template、MTP設定を記録し、速度と内容の比較を分けて確認します。

contextを8192や32768へ増やしてよいですか?

最初から増やすのは避けます。Qwen公式のnative contextはT4で確保できる量を意味しません。まず4096など安全側で動かし、KV cacheと空きVRAMを見ながら段階的に試します。

OOMが出たら最初に何を下げますか?

GPU名と空きVRAMをnvidia-smiで確認し、MTPをoff、contextを下げる、quantを下げる、batchを下げる、GPU layersを調整する順で切り分けます。build中のRAM不足やdisk不足なら別の対処です。

Colabへ仕事の資料をアップロードしてよいですか?

機密文書、個人情報、業務データを安易にアップロードしないでください。ColabはGoogle管理のクラウドVMで、ローカル・オフライン環境ではありません。組織のルール、保存、共有、削除を先に確認します。

セッションが切れたらモデルを再ダウンロードしますか?

VM上に置いたモデルやビルド成果物は、ランタイム削除や再接続で失われる可能性があります。notebookを保存し、必要なら公開モデルを再取得するセルを再実行します。Driveを使う場合も共有範囲と容量を確認してください。

手元PCよりColabのほうがローカルですか?

いいえ。Colabはクラウド上の仮想マシンです。ローカルLLM向けのGGUFを動かしても、実行場所が手元PCになるわけではありません。データの扱いとネットワーク境界を分けて考えます。

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関連チェック先

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  • Qwen3.6-27B official blog - Qwen3.6-27Bの公式発表です。モデルカードと内容が異なる場合は、両方の確認日を残します。
  • Unsloth Qwen3.6-27B-MTP-GGUF - GGUFの配布ファイル、量子化候補、llama.cppのMTP実行例を確認する配布者ページです。
  • Hugging Face GGUF documentation - GGUFの形式、metadata、Hub上の検索とファイル確認を読む公式ドキュメントです。
  • llama.cpp speculative decoding - speculative decodingの方式、accepted token、現行のspeculative optionsを確認する公式ドキュメントです。
  • llama.cpp CLI README - llama-cliのHugging Face repo指定、context、sampling、MTP関連のoptionを確認する公式READMEです。
  • Google Colab FAQ - 無料枠のGPU、利用制限、idle timeout、VMの最大寿命、notebook共有を確認する公式FAQです。
  • NVIDIA T4 specifications - T4の16GB GDDR6、メモリ帯域、用途を確認するNVIDIA公式ページです。
  • Better & Faster Large Language Models via Multi-token Prediction - Multi-Token Predictionの研究上の考え方を確認する補助資料です。Colabの速度保証には使いません。

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